外壁塗装は、住宅の美観や耐久性を保つために欠かせないリフォームの一つですが、費用が高額になりやすいのが悩みどころ。そんな中で注目を集めているのが「補助金」や「助成金」の活用です。

神奈川県では、県単位ではなく各市町村が独自に補助制度を設けているケースが多く、対象となる塗装工事や条件もさまざま。制度をうまく活用すれば、外壁塗装にかかるコストを数万円〜十数万円単位で軽減できる可能性もあります。

本記事では、2025年最新の情報をもとに、

• 神奈川県内で補助金が使える市町村とその内容
• 補助金申請の具体的な流れ
• 補助金以外で費用を抑えるコツ

などをわかりやすく解説していきます。

2025年版｜神奈川県の外壁塗装補助金制度【市町村別まとめ】

神奈川県内では、外壁塗装に補助金や助成金を活用できる市区町村がいくつかあります。以下に代表的なエリアの支援制度をご紹介します。

※内容は変更される可能性があるため、必ず各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。

愛甲郡清川村：外壁塗装補助金制度

①空き家賃貸用住宅リフォーム補助金制度

• 制度名：空き家賃貸用住宅リフォーム補助金制度
• 受付期間：2025年4月1日～
• 助成額：工事費用の50%（上限50万円）
• 対象工事：内外装改修工事／家屋内の家具・家財の処分など
• 条件例：
  • 清川村内の個人所有の空き家であること
  • 賃貸用住宅へのリフォームであること
  • 家屋部分への工事であること
  • リフォーム費用支払い日から6か月以内に申請すること
• 公式サイト：空き家賃貸用住宅リフォーム補助金制度

②住宅リフォーム助成制度

• 制度名：住宅リフォーム助成制度
• 受付期間：2025年4月1日〜
• 助成額：工事費用の50%（上限20万円）
• 対象工事：5万円以上のリフォーム工事／屋根のふき替え・塗装・防水工事／外壁塗装・防水工事など
• 条件例：
  • 村内に1年以上居住し、住民登録があること
  • 村税等を完納していること
  • 自ら所有・居住する住宅の工事であること
  • 村内の施工業者を利用すること
  • 他の助成制度を併用しないこと
• 公式サイト：住宅リフォーム助成制度

愛甲郡愛川町：外壁塗装補助金制度

①三世代同居定住支援住宅改修補助金

• 制度名：三世代同居定住支援住宅改修補助金
• 受付期間：2025年4月1日〜
• 助成額：工事費用の50%（上限40万円）
• 対象工事：
  • 屋根・雨樋・柱・外壁の修繕・塗装などの外装工事
  • 床・内壁・天井の内装替え、畳の取替えなどの内装工事
  • 雨戸・戸・サッシ・ふすま等の建具工事
  • トイレ・風呂・キッチンの改修などの水回り工事
• 条件例：
  • 三世代以上の同居を目的とした改修であること
  • 子または孫世代（40歳未満の生計維持者または配偶者）が町へ転入すること
  • 町内の持ち家を対象とすること
  • 10万円以上の工事であること
• 公式サイト：三世代の定住を応援します！

②空き家改修補助金

• 制度名：空き家改修補助金
• 受付期間：2025年4月1日〜
• 助成額：工事費用の50%（上限20万円）
• 対象工事：
  • 屋根・外壁のリフォーム
  • トイレ・風呂・台所などの水回りリフォーム
  • ※10万円以上の工事が対象
• 条件例：
  • 愛川町空家バンクに登録されている物件であること
  • 入居前、または入居日の翌日から1年以内に申請すること
  • 改修工事の着工前に申請を行うこと
  • 申請年度内にリフォームを完了すること
• 公式サイト：空き家改修費補助金

足柄下郡箱根町：空き家リフォーム事業補助制度

• 制度名：箱根町空き家リフォーム事業補助制度
• 受付期間：2025年4月1日〜
• 助成額：工事費用の50%（上限50万円）
• 対象工事：
  • 空き家の修繕全般（※20万円以上の工事が対象）
• 条件例：
  • 箱根町空家バンクに登録された物件であること
  • 入居者は定住の意思があること、または所有者が10年以上維持管理を行う意思があること
  • 売買・賃貸の契約開始から1年以内であること
  • 工事の着工前に申請を行うこと
• 公式サイト：箱根町空き家リフォーム事業補助制度

足柄上郡松田町：空き家改修事業費補助制度

• 制度名：空き家改修事業費補助制度
• 受付期間：2025年4月1日〜
• 助成額：工事費用の50%（上限30万円）
• 対象工事：
  • 居室・台所・浴室・トイレなどの改修
  • 主要構造部・屋根・柱・外壁の改修
  • 電気・ガス・水道設備の改修
• 条件例：
  • 松田町空家バンクに登録されていること
  • 申請時点で3か月以上空き家であること
  • 改修後3か月以内に入居し、10年以上定住する意思があること
• 公式サイト：空き家改修事業費補助制度

足柄上郡中井町：空き家活用推進事業補助金

• 制度名：空き家活用推進事業補助金
• 受付期間：2025年4月1日〜
• 助成額：工事費用の50%（上限80万円）
• 対象工事：
  • 外壁・屋根・雨樋・柱などの外装工事
  • 床・内壁・天井などの内装工事
  • 建具・給排水設備の改修（トイレ・風呂・キッチンなど）
• 条件例：
  • 世帯全員が町内に居住していること
  • 町内に10年以上定住すること
  • 施工費用を世帯が負担すること
  • 過去に同種の補助金を受けていないこと
• 公式サイト：空き家活用推進事業補助金

高座郡寒川町：外壁塗装補助金制度

①住宅リフォーム等建築工事推進助成事業

• 制度名：住宅リフォーム等建築工事推進助成事業
• 受付期間：2025年4月1日〜
• 助成額：工事費用の5%（上限3万円）
• 対象工事：
  • 屋根のふき替え・屋根塗装・外壁塗装
  • 増改築・減築工事
  • 床暖房導入や床材の張り替え
  • 内装のリフォーム
• 条件例：
  • 寒川町に住民登録があること
  • 申請者がその住宅に居住していること（※新築を除く）
  • 対象住宅の居住者全員に町税等の滞納がないこと
  • 集合住宅の場合は自己の専有部分に限ること
• 公式サイト：令和7年度住宅リフォーム等建築工事推進助成事業

②浸水防止施設設置補助金制度

• 制度名：浸水防止施設設置補助金制度
• 受付期間：2025年4月1日〜
• 助成額：工事費用の33%（上限10万円）
• 対象工事：
  • 浸水防止施設の設置
  • 外壁へのコンクリート布設など
• 条件例：
  • 寒川町内に戸建または集合住宅を所有していること
  • 町税を滞納していないこと
  • 工事前に申請を行うこと
• 公式サイト：浸水防止施設設置補助事業

相模原市：子育て世帯等中古住宅購入・改修費補助事業

• 制度名：子育て世帯等中古住宅購入・改修費補助事業
• 受付期間：2025年4月1日〜
• 助成額：上限80万円
• 対象工事：
  • 屋根・外壁・雨樋などの改修工事
  • お風呂・キッチン・トイレなどの水回り改修
  • ガラス交換
  • 間取り変更など
• 条件例：
  • 居住誘導区域または中山間地域（災害ハザードを除く）の親世帯住宅
  • 補助申請後、相模原市に住民登録し、5年以上定住する意思があること
  • 市税の滞納がないこと
  • 39歳以下の妊婦／夫婦／パートナー、または18歳以下の子と同世帯の親
• 公式サイト：子育て世帯等中古住宅購入・改修費補助事業について

三浦郡葉山町：住宅リフォーム資金補助制度

• 制度名：住宅リフォーム資金補助制度
• 受付期間：2025年4月1日〜
• 助成額：工事費用の100%（上限5万円）
• 対象工事：
  • 外壁の張替え・塗装
  • 屋根の塗装・葺き替え
  • 雨どい等の修理
  • 間仕切り変更、床材や壁紙の張り替えなど
• 条件例：
  • 町内の持ち家であること
  • 町内業者による施工
  • 工事前の申請が必要
  • 税抜20万円以上の工事であること
• 公式サイト：葉山町住宅リフォーム資金補助制度

三浦市：住宅リフォーム助成事業

• 制度名：住宅リフォーム助成事業
• 受付期間：2025年4月1日〜
• 助成額：工事費用の100%（上限7万円）
• 対象工事：
  • 外壁塗装・張り替え
  • 屋根の塗装・葺き替え・防水工事
  • 水回りリフォーム（浴室・トイレ・洗面所など）
  • バリアフリー化改修など
• 条件例：
  • 三浦市民で住民登録があること
  • 自ら居住している持ち家であること
  • 市内業者による施工
  • 税抜20万円以上の工事
• 公式サイト：三浦市住宅リフォーム助成事業のご案内

大和市：不燃化・バリアフリー化改修工事費補助金

• 制度名：大和市不燃化・バリアフリー化改修工事費補助金
• 受付期間：2025年4月1日～
• 助成額：工事費用の50%（上限20万円）
• 対象工事：
  • 外壁の不燃材料への塗り替え、防災化改修
  • 軒天・破風板の防災化
  • 雨戸・シャッター改修
  • バリアフリー化リフォームなど
• 条件例：
  • 既存の木造住宅に対する工事であること
  • 市内業者が施工すること
  • 工事費用が5万円以上であること
• 公式サイト：大和市不燃化・バリアフリー化改修工事費補助金

横須賀市：2世帯住宅リフォーム等補助金

• 制度名：2世帯住宅リフォーム等補助金
• 受付期間：2025年4月1日～
• 助成額：工事費用の50%（上限30万円）
• 対象工事：
  • 外壁の張替え・塗装
  • 屋根のふき替え・塗装・防水工事
  • 台所・浴室・洗面所・トイレの改修
  • 増築工事など
• 条件例：
  • 市外から子世帯が転入して親世帯と同居・近居すること
  • 補助金を過去に受けていないこと
  • 親世帯が市内で自己所有の戸建てに住んでいること
  • 同居・近居開始のために行うリフォームであること
• 公式サイト：2世帯住宅リフォーム等補助金

横浜市：外壁塗装補助金制度

①木造住宅耐震改修補助事業

• 制度名：横浜市木造住宅耐震改修補助事業
• 受付期間：2025年4月1日～
• 助成額：上限255万円
• 対象工事：
  • 耐震改修工事（基礎・耐力壁・屋根軽量化など）
  • 断熱化工事（省エネリフォーム含む）
• 条件例：
  • 平成12年5月末日以前に建築確認を受けた在来木造住宅（2階建以下）
  • 建築士による耐震診断で上部構造評点1.0未満の住宅
  • 断熱改修と省エネ改修を同時に行うこと
• 公式サイト：横浜市木造住宅耐震改修補助事業

②脱炭素リノベ住宅推進補助制度

• 制度名：脱炭素リノベ住宅推進補助制度
• 受付期間：2025年6月2日～9月30日
• 助成額：上限150万円
• 対象工事：
  • 外壁・屋根・床の断熱改修
  • 再生可能エネルギー設備の設置など
• 条件例：
  • 躯体の断熱改修を行うこと
  • 工事後に断熱等性能等級6または7を満たすこと
  • 工事後に耐震等級1以上の性能を確保すること
  • 共同事業者（登録された施工事業者）に依頼すること
• 公式サイト：令和７年度脱炭素リノベ住宅推進補助制度

神奈川県で外壁塗装の補助金を受け取るまでの流れ

外壁塗装に関する補助金は、「申請前に工事を始めない」ことが大前提です。ここでは、一般的な補助金申請〜受け取りまでのステップを7段階で解説します。

① 自治体制度の確認と申請書類の入手

まずは、自分が住んでいる市区町村に補助金制度があるかどうかを確認しましょう。神奈川県内では、横浜市・川崎市などの政令指定都市を除き、補助金の有無は自治体によって異なります。

制度が確認できたら、対象工事や助成条件をしっかりチェックし、必要な申請書類をダウンロードまたは窓口で入手します。

② 補助金対象となる見積書の取得

次に、工事前に見積もりを取得する必要があります。この見積書が補助金申請に必要な添付資料となるため、制度の条件に合致する塗料や工法で見積もってもらうことが重要です。

たとえば、「日射反射率50%以上の遮熱塗料を使用すること」など、補助対象の塗料に条件があるケースでは、業者にその旨を伝えておきましょう。

③ 申請書類の提出

見積書などがそろったら、自治体へ申請書一式を提出します。提出方法は自治体により異なり、窓口持参・郵送・オンラインなどがあります。

この際、写真・施工図・業者情報・工事内容の内訳などの追加資料が必要となることもあるため、申請要項を丁寧に確認しましょう。

④ 審査結果の通知と承認の取得

申請後、自治体にて書類審査が行われます。審査には2週間〜1か月程度かかるのが一般的で、不備があれば差し戻される場合もあります。

正式な承認通知が届くまで工事は開始できません。フライング着工は補助対象外になるため注意しましょう。

⑤ 工事の着工と施工管理

承認通知が届いたら、いよいよ工事をスタートします。ここでも重要なのが、「着工日＝承認通知以降」であること。通知が出る前に工事を始めた場合は、補助金が無効となる恐れがあります。

また、工事中の進捗写真や施工記録も、のちの完了報告に活用されるため、施工業者と連携して記録を残しましょう。

⑥ 工事完了後の報告書提出

施工が完了したら、完了報告書を提出します。報告書にはビフォー・アフター写真、領収書、施工証明書などの添付が必要なケースが多く、内容の正確さが求められます。

書類に不備があると再提出や審査遅延となるため、施工業者にも協力を依頼するのが安心です。

⑦ 補助金の振込手続き

完了報告が承認されると、いよいよ補助金が指定の銀行口座に振り込まれます。振込までには数週間〜2か月程度かかることが一般的です。

工事から時間が空くため、振込予定時期や金額の確認を忘れずに行いましょう。

神奈川県の外壁塗装の費用目安

外壁塗装の費用は、使用する塗料の種類や建物の大きさ、足場の有無などによって大きく異なります。ここでは、神奈川県で外壁塗装を行う際の一般的な費用目安と、見積もり時に知っておきたいポイントを解説します。

外壁塗装の相場価格（延床30坪前後の場合）

項目	費用目安（税込）
足場設置費	約15〜25万円
高圧洗浄費	約2〜4万円
養生費	約2〜5万円
下地補修費	約3〜10万円
塗装費（シリコン系）	約40〜60万円
合計費用目安	約60〜100万円程度

※建物の構造や劣化状況、使用塗料によって変動します。

塗料の種類ごとの費用と耐用年数

塗料の種類	費用相場（㎡単価）	耐用年数の目安
アクリル	1,000〜1,800円	約5〜7年
ウレタン	1,800〜2,200円	約7〜10年
シリコン	2,300〜3,000円	約10〜13年
フッ素	3,500〜4,500円	約15〜20年
無機塗料	4,000〜5,500円	約20〜25年

シリコン系塗料が最も選ばれることが多く、コストと耐久性のバランスに優れています。補助金対象になるのは「高反射率塗料」など性能要件を満たすものに限られるため、見積もり時に確認が必要です。

神奈川県内での外壁塗装の費用差のポイント

神奈川県は、都市部と郊外で業者の人件費や運搬コストに差が出ることがあります。以下のような条件により、見積もり額は前後します。

• 横浜・川崎など都市部：やや高め（人件費・交通費が加算されやすい）
• 相模原・西湘エリアなど郊外：比較的リーズナブル
• 住宅密集地：足場設置・撤去が困難でコスト増の傾向

神奈川県の補助金活用以外で外壁塗装を安く抑える４つの方法

外壁塗装を少しでもお得に行いたい方に向けて、補助金に頼らずコストを抑えるポイントをご紹介します。ちょっとした工夫で、数万円〜十数万円の節約につながることもあります。

オフシーズンを狙った依頼による費用削減

外壁塗装業者には、比較的依頼が少ない「閑散期」があります。主に以下のような時期が該当します：

• 梅雨入り前の4月〜5月
• 真冬の1月〜2月

この時期は職人やスケジュールに余裕があるため、キャンペーンや割引が出やすく、交渉もしやすくなります。「安く抑えたい」「柔軟な日程が取れる」という方には、特におすすめのタイミングです。

屋根塗装との同時依頼による足場費用の節約

外壁塗装と屋根塗装を別々に行うと、足場費用が2回分かかる場合があります。これを防ぐためにも、外壁＋屋根のセット施工を検討しましょう。

セットで依頼することで、足場設置を1回にまとめられ、10万円以上のコストカットにつながることもあります。屋根の劣化が気になっている方は、同時施工が合理的です。

複数社からの相見積もりによる適正価格の把握

業者によって見積もり金額やサービス内容は大きく異なります。そのため、最低でも2〜3社から見積もりを取ることが重要です。

相見積もりを行うことで

• 価格の相場感がつかめる
• 「補助金対応業者かどうか」も比較できる
• 営業トークに惑わされにくくなる

というメリットがあります。また、価格だけでなく、工事の中身や保証の有無もチェックしましょう。

信頼できる業者の選定によるトラブル回避

費用を抑えたいあまり、価格だけで業者を選ぶのは非常に危険です。以下のようなリスクが潜んでいます。

• 手抜き工事による塗装の早期劣化
• 補助金の要件を満たさない塗料の使用
• アフターフォローや保証がない・曖昧

信頼できる業者を見つけるためには、過去に補助金申請をサポートした実績があるかどうか、口コミや施工事例を確認するのが有効です。申請手続きを手伝ってくれる業者なら、書類の不備によるトラブルも防ぎやすくなります。

まとめ｜神奈川県の外壁塗装補助金を活用して賢くリフォームを

外壁塗装は、戸建て住宅にとって数十万円〜100万円以上の出費になる大きな工事です。だからこそ、補助金制度の活用と信頼できる業者選びがコストを抑える鍵になります。

2025年現在、神奈川県内では多くの市町村が独自の外壁塗装補助制度を設けています。ただし、制度の有無や申請条件、補助金額、対象工事は自治体によって大きく異なるため、まずはお住まいの自治体の公式サイトで最新情報を確認しましょう。

また、補助金の対象になる工事であっても、着工前の申請が必須なケースが大半です。補助金に詳しい業者に相談しながら、スムーズに手続きが進められるかどうかも重要なポイントになります。

最後に、費用や内容に納得して工事を進めるためにも、複数社に見積もりを取り、じっくり比較検討することが大切です。賢く補助金を活用して、安心・納得の外壁リフォームを進めましょう。